東京湾が美しく見える横浜の工場地帯にある駅 ~ 鶴見線・海芝浦駅
テレビなどのメディアでも取り上げられ、鉄道ファンや旅好きのみならず、広く一般にも知られるようになった駅の一つである、横浜市内の工場地帯を走る鶴見線の海芝浦駅を、今回は紹介することにしよう。
この駅が広く一般に知られ、人気を集めることになった理由は、東京湾に面したそのプラットフォームからの眺めである。とりわけ夜景は格別であり、鶴見つばさ橋や横浜ベイブリッジのライトアップをはじめとした色とりどりの夜景が、黄昏時にこの駅を訪れる人を和やかに迎えてくれる。そのため、カップルの 訪問も多いという。
この駅がある鶴見線は、横浜市内の工場地帯にあり、本来この駅は、工場への通勤客のために設置されている駅である。偶然これらの工場が、横浜の東京湾沿岸部に立地しているため、この駅もそれに面した運河のすぐ横に位置しており、プラットフォームから海を眺めやすいのである。
通勤客が足早に駅の出口から工場へ吸い込まれて行った後の静けさの中、この駅のプラットフォームにひとり立っていると、そこが殺伐とした印象の工場地帯の中にあるとはとても思えない、和やかな東京湾の潮風が、旅人の心をも安らげる。都会の中にも、我々が忘れかけていた静かな日常が、確かに流れていることを思い起こさせてくれる。たまには日常の中に、そんな静かな日常を探してみようか…そんなことを思った。
そんな、本来あるべき人間らしい日常に、カエル? (苦笑)